5
現実から目をそむけてはいけないということ。
ネタで言ったのか真面目に言ったのか、彼がどちらの意味でその言葉を私に言ったのか分からないけど。
とてもすっきりしました、それはとても。
私が今生きているこの土地で、働き、遊んで、暮らしている、この時間と、空間。
これこそが現実なのだと。
例えば。
確かにその言葉をかけた彼はこの世に存在していて、私も存在していて、いつか同じ時を過ごしたこともあり、離れた地で互いに暮らしている今も、その事実は変わらず存在していて。
彼と出会えたこと、話をしたこと、同じ場所で同じ音を聴いていたこと、同じ景色を観ていたこと、それも確かな事実であり、現実。
現実だろう、と
それならまた会いたい、話がしたい、と
その言葉を言うのがなぜだめなのか。
なぜ、現実から逃げちゃいけないと私に言ったのか。
そう思いました。
でも、彼が言いたいのはきっと、
今この地で生きているこの"私の現実"から逃げるなと。
そういうことなんだろうな、と。
ネットが身近にありすぎて、現実との境目がわからなくなっている。
普通ならありえないじゃないですか。
東京に、横浜に、青森に、札幌に、福井に、大阪に、京都に、福岡に、広島に。
知っている人がいる。
同じ地、新潟であっても。話は同じです。
普通なら絶対出会えない人たちと出会っています。
それも確かな現実ではあります。
でも"自分が"存在しているこの"現実"を生きなければならないと考え直せました。
現実から目をそむけてはいけないということ。
しかしながら、これも一つの出会い方です。
一つの運命と信じています。
私は全てが運命だと思っています。
運命に逆らうことはできない。
出会うべくして出会った人たちだと信じています。
出会えてよかったと心底思える人もいれば、何でこんな奴と、という人もいるし。
本気で傷ついたことも、何度かあります。馬鹿らしいけど、あります。
それもすべて私の人生に必要な人たちなのだと思います。
綺麗なだけが人生じゃないし、汚いことも知ってこそ綺麗なものの本当の価値が分かるし、生まれて勉強や友達に不自由しなくて誰かと結婚をして子供を産んで老いて死ぬよりかは、ちょっとどこかうまくいかなくて、たまには悲劇のヒロインぶったりして、でもやっぱり楽しいことも嬉しいこともたくさんあって、最期は大変だったけど何とかなった人生だったな、と思って終われれば本望です。
細く長いより、太く短く。
よく聞く言葉ですが、その通りだと強く思います。
長生きしたいとは思わない、ただ、充実した人生でいたい。
だからいつ死んでもいいように、好きなようにこの現実を生きるつもりです。